はじめに:「嫌やったら食うな!」―我が家の食卓に落ちた雷
こんにちわ。いつもご拝読頂き誠にありがとうございます。
ビーエー商事有限会社の中の人です。
今日は、私が妻に怒られる原因となったプレジデントオンラインの記事の要約から、日本の食品表示が抱える不条理なリアル、そして私たちがこの「消費者に丸投げされた社会」でいかに肩の力を抜いて、賢く、楽しく生きていくべきかお話ししたいと思います。・・・( ´・ω・`)
ある日の夕方のスーパーにて
ある日の夕方、妻と一緒に近所のスーパーへ買い物に出かけたときのことです。
惣菜コーナーを歩いていると、ちょうど「揚げたてです!」という威勢のいい声とともに、黄金色に輝くコロッケがずらりと並べられました。
漂ってくるラードの香ばしい匂い。お腹の空く時間帯です。
「わあ、美味しそう。今夜のおかずにこれ買っていかない?」
弾むような声で提案してくれた妻に対し、私は数日前にネットで読んだ「ある記事」のことを思い出してしまいました。
そして、つい余計な事を口にしてしまったのです・・・
「いや、でもさ……こういう惣菜の揚げ物って、油の酸化を防ぐpH調整剤とか、衣の食感を出すためにリン酸塩とかの添加物が結構使われてるらしいよ!裏の表示見ても『酸味料』とかの中に隠されてて、僕らには見抜けないんやて。腎臓に負担がかかって寿命にも関わるらしくて――」
そこまで熱弁(という名の知ったかぶりのうんちく)を垂れ流した瞬間、妻の空気が一変しました。ピキッと凍りつくような沈黙のあと、飛んできたのは鋭い一喝。
「……めんどくさ。嫌やったら食うな(#^ω^)」
……完全に怒らせてしまいました。
せっかく「美味しそう、楽しよう」とワクワクしていた妻の気分は台無しです。
私はその場ですぐに謝り、平謝りでコロッケを買って帰りました。
そしてサクサクのコロッケを一口食べた瞬間、脳裏に浮かんだのは「あぁ、めちゃくちゃ美味いな……」という素直な感想と、猛烈な反省でした。
健康のために良かれと思って仕入れた知識が、目の前の食卓の楽しさを壊し、夫婦の空気をギスギスさせてしまう。これって一体、誰のためになっているんだろう?
この一件をきっかけに、私は「現代の食の安全性」について深く考えさせられ、そして一つの「諦めと、救いの結論」にたどり着きました。
毎日の食事選びにちょっと疲れてしまっている方、あるいは家族の健康を気にするあまり息苦しくなっている方にこそ、ぜひ最後までお付き合いいただければ幸いです。
1. ざっくりわかる話題の記事:何がそんなに危険なのか?

私が惣菜コーナーでつい口走ってしまった、プレジデントオンラインの記事(内科医の工藤孝文先生のコラム)が何を言っていたのかを、まず簡単におさらいしておきましょう。ポイントは大きく分けて3つです。
① 命を縮める「無機リン」の恐怖
記事が最も警鐘を鳴らしていたのは、食品添加物として広く使われている「無機リン」という成分です。 リン自体は骨や歯を作る大切なミネラルですが、現代人は加工食品を通じてこれを「摂りすぎ」ているといいます。
過剰に摂取された無機リンは腎臓に強烈な負担をかけ、やがて「高リン血症」を引き起こします。これが動脈硬化に繋がり、心臓病や脳卒中のリスクを高め、結果として寿命を縮める原因になる、という恐ろしいメカニズムです。
② 「見てもわからない」という不条理
「じゃあ、裏の表示を見て『リン』が入っているものを避ければいいんだね!」と思いますよね。しかし、話はそう単純ではありません。
ここに日本の「食品表示法」の罠があります。国が認めた「一括名表示」というルールのせいで、リンが含まれていても、パッケージには「かんすい」「酸味料」「pH調整剤」「乳化剤」「香料」といった、別の一般的な名前でひとまとめに書かれてしまっているのです。
つまり、一般の消費者がどれだけ目を凝らして表示を見ても、そこにリンが隠されているかどうかは見抜けない仕組みになっています。
③ 専門家が提案する「マイルール」
完全に避けるのは今の時代、絶対に不可能。
だからこそ、その内科医の先生は「買うときに添加物らしき名前がずらりと並んでいるものは避ける」「コンビニの弁当や惣菜は週に1〜2回までにする」といった、ゆるいマイルールで摂取回数をコントロールしよう、と結んでいました。
――これが、記事の大まかな内容です。「見抜けない恐怖」を煽りつつも、最後は「まぁ、現実的に回数を減らそうね」という着地点になっています。

2. 視点を変えてみよう:本当に「加工食品=悪」なのか?
この記事を読んだとき、皆さんはどう感じますか?
かつての私のように「怖い!惣菜もコンビニ弁当も食べられない!」とパニックになるでしょうか。それとも「また健康オタクが行き過ぎたことを言っている」と一蹴するでしょうか。
実は、この手の「添加物危険論」には、常に強力なカウンター(反対意見)が存在します。
行政や食品科学の専門家、食品メーカー側の視点に立つと、また全く違う景色が見えてくるのです。
たとえば、次のような反論です。
・「一括名表示」は悪意ではない
小さなパッケージに、使われている微量な化学物質をすべて個別に印刷したら、文字だらけで誰も読めなくなってしまいます。
また、香料や酸味料の絶妙なブレンドはメーカーの「命」であり、企業秘密(レシピ)です。それをすべてオープンにしろというのは、経済活動として現実的ではありません。
・そもそも安全基準の範囲内である
日本で認可されている添加物は、食品安全委員会などが「一生、毎日食べ続けても害がない量(一日摂取許容量)」を厳格に定めています。
健康な腎臓を持っていれば、多少多く摂ったところで尿から自然に排出されるため、過剰に怯える必要はないという見解です。
・添加物のおかげで、私たちは「食中毒」から守られている
保存料やpH調整剤があるからこそ、私たちは夏場でも安全にお弁当や惣菜を食べられます。
もしこれらを完全に排除したら、日本中で重篤な食中毒が多発し、同時に大量の売れ残り(フードロス)が発生して、食料危機や物価高騰を招くでしょう。
こうして両者の意見を並べてみると、「どちらの言い分も一理ある」と思えてきませんか? 健康リスクを減らしたい医師の言い分も正しいし、社会のインフラとして安全・安価に食品を届けるためのメーカーの言い分もまた、正論なのです。

3. 欧米の事例から見る「本当に必要とされる行政の仕事」
ここで少し視野を広げて、海外(欧米)の基準に目を向けてみましょう。
「海外は日本より添加物規制が厳しいから、リン酸塩なんて禁止されているのでは?」と思うかもしれませんが、実はアメリカ(FDA)でも欧州(EFSA)でも、リン酸塩は基本的には禁止されておらず、日本と同じように広く加工食品に使われています。
ただし、EU(欧州連合)の規制の仕組みには、日本が見習うべき素晴らしい「配慮」が存在します。
EUでは、大人が食べる一般の食品への使用は認める一方で、「乳幼児向け食品(ベビーフードや離乳食)」に対しては、特定のリン酸塩などの添加物を厳しく制限・禁止しているのです。

これこそが、本来あるべき「行政の仕事」ではないでしょうか。 一律に「全部ダメ」にするのではなく、身体が未発達で、自分で食べ物を選べない子どもたちという「脆弱な世代」を、ピンポイントで守るルールを作る。
こうした世界基準の流れを見ると、食品安全の本質は、一律の善悪論ではなく「誰が、どの段階で、どう付き合うか」という細やかな配慮にあるのだと気づかされます。
4. 結局、すべては「消費者に丸投げ」されているという現実
さて、ここまで「医師の警告」「メーカー・行政の正論」「海外の先進的な規制」という3つの視点を見てきました。 これらを統合したとき、私たちが突きつけられる、ある「冷徹な現実」があります。
それは、「結局のところ、最後はすべて消費者の自己責任に丸投げされている」ということです。
国や行政は、大人の健康な身体をベースにした一律の安全基準を作って終わり。
企業は売るために、法律の範囲内でギリギリの工夫をする。
その結果、「何がどれだけ入っているか」の本当の詳細はブラックボックスにされたまま、「あとは自分で勉強して、自分で選んで、自己責任で健康になってね」と、私たち消費者にボールが丸投げされているのが、今の現代社会の歪みなのです。

勉強する時間がある人、お金に余裕があってオーガニックや無添加の高級食材を選べる人は健康を守れる。
しかし、物価高の中で共働きをし、生きるために安くて便利な惣菜や冷凍食品に頼らざるを得ない忙しい家庭は、そのリスクを背負わされる。
「安全な食を選べるかどうか」が、経済的・時間的な格差に直結してしまっている。これが、丸投げされたゲームの不条理なルールです。
5. 【企業様へ】「消費者の見えない不安」を解消する、これからの食品製造
ここまで、消費者としての「ゆるい自衛策」をお話ししてきましたが、ここで少しだけ、食品を製造・販売されている企業(メーカー)の皆様への視点にも触れさせてください。
実は弊社では、まさに今回話題に挙げた「リン酸塩」の代替となる、グルコマンナンを主成分とした天然由来の品質改良製剤を取り扱っています。

食品加工の現場において、リン酸塩がいかに優れた保水性や結着性を持ち、ジューシーな食感や歩留まりの向上に貢献しているかは重々承知しています。
だからこそ、これまで簡単に手放せなかったのだと思います。
しかし今、時代は確実に変わりつつあります。
今回のプレジデントオンラインの記事がこれほど注目を集めたように、消費者は「一括名表示の裏に隠された成分」に対して、私たちが想像する以上に敏感になり、そして「見抜けない不条理」に静かな疲れを感じています。
また、EUのように乳幼児向け食品から段階的に規制が進む流れは、いずれ日本国内の消費者の意識にも大きな影響を与えるはずです。
そこで私たちは、加工食品企業の皆様に「引き算の差別化」をご提案したいと考えています。
「入っているか分からない添加物に怯えながら、回数を減らして食べる」
という消費者の我慢を、
「リン酸塩を使わずに、天然の植物(蒟蒻芋)由来の力で、これまで通りの美味しさとジューシーさを実現しました」という新しい価値に変える。
これこそが、これからのクリーンラベル時代において、御社の商品が消費者に「大手を振って、笑顔で選ばれる理由」になると確信しています。
「美味しさ」も「製造効率」も妥協せず、それでいて消費者の心に寄り添う新しい食品開発を、私たちと一緒に進めてみませんか?

おわりに:難しく考えすぎず、ゆるく「好きな物」を食べて生きる

誰も守ってくれない、すべてが自己責任のゲーム。
そう考えると、なんだか暗い気持ちになってしまうかもしれません。
でも、私はスーパーの惣菜コーナーで妻にブチ切れられたあのあくる日、一つの清々しい結論にたどり着きました。
「丸投げされたゲームなら、難しく考えすぎず、ゆるく好きな物を食べて生きていくことを最優先にしよう」
ということです。
んん!?結局プレジデントの記事とおんなじ結論やん( ゚д゚)!!?
って思った読者諸氏・・・実はそうなんです(。-人-。)
まあ、ネットにあふれる過激な健康論や、裏の表示のカタカナ文字に一喜一憂して、毎日の食事を「見えない毒との戦い」にしてしまうのは、あまりにももったいない。
添加物を100%排除しようとしてストレスを溜め込み、毎日の買い物で頭を抱え、大好きな惣菜のコロッケを罪悪感とともにすする生活なんて、それこそ心の健康を害してしまいます。
妻の放った「嫌やったら食うな!」という言葉は、まさに真理でした。
嫌なら食べなければいいし、食べるなら文句を言わずに美味しくいただく。それが、食卓に笑顔を取り戻す一番のスパイスです。
私たちが生きているのは、どこまでいっても不条理な現代社会です。 完璧な100点満点の食生活なんて、ハナから目指さなくていいのです。
「国も企業も丸投げしてくるんだから、こっちだって適当にやらせてもらうよ」
そのくらいのスタンスでいい。
基本的には自分の「おいしい」「好き」を最優先にする。
ただ、もし自分に幼い子どもがいるなら、あるいは自分がちょっと体調を崩している時期なら、その時だけ「まぁ、ちょっとカタカナの多いやつは数日控えとくか」と、引き出しから知識を引っ張り出してくればいい。
社会が変わるのを待つ必要はありません。
個人の食卓では「まぁ、週の半分くらいそれなりに笑って、大好きなものを美味しく食べていれば合格点」と割り切る。
この丸投げされた無理ゲーを、深刻にならず、ユーモアを持って「ゆるく、賢くサバイバルしていくこと」。
それこそが、情報過多の現代を生き抜く、私たち消費者のナンバーワンの知恵なのだと思います。
今夜は、大好きなものを、何の罪悪感もなく、ただ「おいしいね」と笑顔でいただくことにしませんか?揚げたてのコロッケ、最高に美味しいですよ!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
もしこの記事が、毎日の食事選びの肩の荷を下ろすきっかけになったなら、幸いです。
ぜひ皆さんの「我が家のゆるサバイバル術」もコメントで教えてくださいね。
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